生命保険付住宅ローンの有無の確認
いつまでに→死亡後速やかに
どこへ→住宅ローンを借りている金融機関へ
まずは団体信用保険に加入しているかどうかを確認する
住宅ローンを支払っている人が亡くなった際には、まず借入先の銀行等(銀行・信金・農協)へ連絡しましょう。その際には、手元にローンの引き落とし先の通帳と死亡届などを用意して電話をかけましょう。ただし、この電話をもってローン返済口座は凍結されるので、注意してください。
融資の担当者にローン契約者が亡くなったことを伝える際に必ず確認すべき点は、団体信用保険に加入しているかどうかということ。なぜなら、「住宅ローンは亡くなったらチャラになる」と、よく言われるのですが、この団体信用保険に入ってなければ、チャラにならないからです。
最近の住宅ローンは、団体信用保険の加入が借入れの条件となっていることが多いのですが、途中で保険料を納めなくなった場合に失効してしまっているケースもあります。
また、住宅ローンの借入時に保険の審査が通らず加入していない場合や、リフのォーム費用を後で追加借入れした場合には、追加借入れについては団体信用保険の加入がない場合も多く見られます。
手続き方法
団体信用保険に加入していた場合には、借入先の金融機関から団体信用保険の請求に必要な弁済届を取得しましょう。
団体信用保険の請求は、書類を提出してから審査にlヵ月ほどかかることが多く、債務が完済するまでに2ヵ月以上かかることも、まれではありません。
その間は、住宅ローンの返済を続けてぃかなくてはならないので、注意が必要です。完済後、亡くなったのちに支払った返済金は返還されるので、安心してください。
なお、団体信用保険の請求は3年で時効となります。3年以上経ったのちに保険請求をしても債務完済とならないことがあります。
また、不動産に抵当権を付けている場合は、ローン完済後に抵当権の抹消の手続きも忘れずに行ってください。
必要書類等
□団体信用生命保険請求書
□死亡証明書または死亡診断書 (加入期間が短い場合には、 保険会社指定の様式での提出が必要になることが多い)
□契約者が亡くなったことの記載のある住民票
□振込口座 (変更)届 (死亡用)
コラム 団信のおつり
相続財産は気づかない物や、忘れがちな相続手続きがあります。「団体信用生命保険は万が一の時に住宅ローンがチャラになる保険」という認識は一般的ですが、実際に住宅ローンの残額丁度の生命保険が下りて返済に充てられるのでしょうか?
いいえ、そうではありません。団体信用生命保険は、ローン残高よりも多めに支払われることがほとんどです。そのため金融機関に返済後の“おつり“が請求者に対して支払われることになります。「団体信用生命保険請求後になぜかお金が振り込まれた」と皆さん良く驚かれていますが、そういう事情があるのです。
事例 戻ってきた住宅ローン ~2種類の手続き~
Bさんは、4カ月前にご主人が急逝され、とりあえず年金関係の手続きは夫の勤務先でしていただいたそうです。
現在お住いのマンションは住宅ローンを組んでおり、2人のお子さんがまだ小学生のため、今後も住宅ローンの返済を続けていくのは厳しいとの判断から、Bさんはマンションの売却を考えました。
そして、まずは相続によるマンションの名義変更の手続きの相談にいらっしゃいました。私共の担当者は、Bさんのお話を伺ったうえで次のように尋ねました。
「ちょっと待ってください。住宅ローンには、借主の団体信用生命保険が付いているはずです。確かめられましたか?」
団体信用生命保険は、ローン借り入れの契約時に原則として同時に契約する保険です。
ローンの借主が亡くなった場合、残っているローンの債務額は、団体信用生命保険金で支払われるので、以降のローンの支払いは必要なくなるのです。
マイホーム購入の際には、ご夫婦でいろいろ相談されたようですが、ローン契約内容や保険の効果などはご存じなかったようです。
生命保険の受け取りは契約者の亡くなったと同時に権利が発生します。
つまりBさんは、ご主人が亡くなられて4か月後に相談に来られたので、それまでの4か月分のローンとボーナス時の返済分、合わせて約80万円払わなくてよかったローンなのです。
亡くなられてから手続きをするまでにローン返済で引き落とされた合計金額は、返還手続きをすれば戻ってきます。
ただし、このようなケースは金融機関によって取り扱いが異なりますので、まずは確認をして下さい。