土地の評価
土地と一言で言っても、その種類に合わせて様々な種類があり、それぞれに評価のルールが存在しています。
ここでは土地の種類によって異なる評価のルールについて解説していきます。
【山林の評価】
1)純山林
固定資産評価額×倍率
2)中間山林(市街地付近又は別荘地帯にある山林)
固定資産評価額×倍率
3)市街地山林(宅地のうちに介在する山林)
・宅地比準方式
(その山林が宅地であるとした場合の1㎡当たりの価額-1㎡当たりの造成費)×地積
※造成費とは整地費・土盛費・土止費の合計額をいい、おおむね同一の地域ごとに
国税庁において定められています。
・倍率方式(市街化区域内にある山林であらかじめ倍率が定められている場合)
固定資産税評価額×倍率
4)保安林等の評価
森林法その他の法令の規定に基づき、土地の利用又は立木の伐採について制限を受けて
いる保安林等の価額は、山林の自用地としての評価額に、伐採制限に応ずる一定の金額を控除した金額により評価します。
特定計画山林についての相続税の課税価格の計算についての特例
特定計画山林相続人等が、相続、遺贈又は相続時精算課税贈与により取得した特定計画山林で当規定の適用を受ける選択をしたものについて、相続、遺贈、贈与に係る申告期限までその山林を引き続き所有している場合は、相続税の課税価額に算入すべき金額の計算上、5%を減額します。
なお、この特例を受けるためには、原則として申告期限までに分割されていることが必要とされます。
小規模宅地の特例との併用
小規模宅地の特例の適用を受けている宅地について限度面積に満たない部分があるときは、一定の算式に基づき計算した金額を限度に、当該特例または「特定事業用資産の特例」の適用を受けることができます。
【果樹・竹林の評価】
果樹等及び立竹木の評価
果樹等
1)幼齢樹
(植樹の時から課税時期までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額)×70/100
2)成熟樹
(植樹の時から成熟の時までの期間に要した苗木代、肥料代、薬剤費等の現価の合計額)-(成熟の時から課税時期までの期間の償却費の額の合計額)×70/100
立竹木
立竹木の評価は、樹齢・樹種の別に国税局長が定める「標準価額」を基として評価します。
評価額=標準価額×総合等級割合×地積×85/100
【農地・生産緑地・山林】
農地・生産緑地・山林の評価
ここでは、農地・生産緑地・山林についての特別な評価方法についてお伝えしております。
これらの財産の評価は、相続税発生の際の納税金額に大きな影響を与えるだけでなく、遺産分割の方法にも工夫が必要になるものです。
税理士などの専門家のアドバイスによる評価額の算出をお勧めいたします。
農地・生産緑地の評価
農地には、純農地・中間農地・市街地農地・市街地周辺農地があり、それぞれ評価方法が異なります。
また、貸し付けられている農地によって評価方法が異なります。
生産力地は、勝ち取りのタイミングと価額により評価額が異なります。
それぞれ解説しておりますので、ご参考ください。
山林の評価
山林の評価は、以下の4つの種類によって異なる評価がなされます。
1)純山林
2)中間山林(市街地付近又は別荘地帯にある山林)
3)市街地山林(宅地のうちに介在する山林)
4)保安林等の評価
また、特定計画山林についての相続税の課税価格の計算についての特例と小規模宅地との併用についても解説しておりますので、合わせてご覧ください。
果樹等及び立竹木の評価
果樹は、1)幼齢樹と2)成熟樹によって評価額が異なっております。
立竹木の評価は、樹齢・樹種の別に国税局長が定める「標準価額」を基として評価します。
【農地・生産緑地の評価】
農地の評価
農地には純農地・中間農地・市街地農地・市街地周辺農地があります。
それぞれ次のように評価します。
1)純農地・中間農地→固定資産税評価額×倍率
2)市街化農地→比準方式(農地が宅地であるとした場合の価額-造成費)
3)市街化周辺農地→市街化農地×80/100
貸し付けられている農地の評価
貸し付けられている農地の評価は次のように評価します。
耕作権
1)純農地・間農地の耕作権
農地の価額×耕作権割合(50%)
2)市街地周辺農地・市街地農地の耕作権
農地の価額×耕作権割合※
※離作料の額、借地権の価額等を参酌して求めた価額により評価します。
3)貸している側の評価
相続税評価額-1)2)により計算された価額
永小作権の目的となっている農地
農地の自用地としての価額-永小作権の価額
区分地上権の目的となっている農地
農地の自用地としての価額-区分地上権の価額
生産緑地の評価
1)課税時期において市町村に対し買取りの申立をすることができない生産緑地
生産緑地でないとした価額×(1-控除割合)
※控除割合
課税時期から買取りの申出をすることが できることとなる日までの期間 |
控除割合 |
---|---|
5年以下のもの | 10% |
5年を超え10年以下のもの | 15% |
10年を超え15年以下のもの | 20% |
5年を超え20年以下のもの | 25% |
20年を超え25年以下のもの | 30% |
25年を超え30年以下のもの | 35% |
2)買取りの申出が行われていた生産緑地又は買取りの申立をすることが出来る生産緑地
生産緑地でないとした価額×95%
【雑種地の評価】
1)自用に供する雑種地
雑種地の価額は、その雑種地と状況が類似する付近の土地について評価した1㎡当たりの価額を基にして評価します。
比準方式
路線価比準又は固定資産税評価額×倍率
倍率が定められている地域にある場合は以下の方法により評価します。
倍率方式
固定資産税評価額×倍率
2)貸付けられている雑種地
1)の評価額-地上権又は賃借権の価額
3)ゴルフ場の用に供する土地の評価
・市街化区域及びそれに近隣する地域にあるゴルフ場用地
(1㎡当たりの宅地比準価額×地積×60/100)-(1㎡当たりの造成費×地積)
・上記以外の地域にあるゴルフ場用地
固定資産税評価額×倍率