相続税の申告に必要な書類
相続税の申告期限は10カ月
相続税の申告書の提出期限は、相続開始日の翌日から10カ月目の日です。
提出期限が土・日・祝日などにあたる場合は、これらの日の翌日が期限となります。
申告書は、被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署に提出します。
相続税の申告書は、同じ被相続人から相続や遺贈によって財産を取得した人が共同で作成して提出することができます。
しかし、これらの人の間で連絡が取れない場合や、その他の事由で申告書を共同で作成して提出することができない場合には、別々に申告書を提出しても差し支えありません。
また、配偶者の税額控除、小規模宅地の減額の特例などを受ける場合、税額がゼロでも申告の必要があります。
相続税の申告に必要な書類
申告は、申告書と一緒に相続財産の明細書や計算書などの書類を添付して税務署へ提出します。
主な必要書類は、以下の通りです。
① 相続人・遺産分割に関するもの
まず、相続人の身分の証明や遺産分割について証明するための添付書類が必要です。早目に準備を始めるとよいでしょう。
書類名 |
取得方法 |
備考 |
遺言書のコピー |
ご自宅 |
遺言書がある場合に必要 |
遺産分割協議書のコピー |
ご自宅 |
遺産分割協議書がある場合に必要 |
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本 |
被相続人の本籍地の役所 |
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被相続人の戸籍の附票 |
被相続人の本籍地の役所 |
老人ホームに入居し、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合に必要 |
被相続人の住民票の除票 |
市区町村役場 |
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被相続人の略歴 |
各自作成 |
出生地、学歴、職業、転居の状況、死亡時の状況などを記入 |
相続人全員の戸籍謄本 |
各相続人の本籍地の役所 |
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相続人の戸籍の附票 |
各相続人の本籍地の役所 |
家なき子特例・相続時通算加算制度適用者がいる場合、不動産の相続手続きに必要 |
相続人全員の住民票 |
各市区町村役場 |
本籍地の記載があるもの・住宅等を相続する場合は必要 |
相続人全員の印鑑証明書 |
各市区町村役場 |
遺産分割協議書がある場合に必要 |
特別代理人の選任の審判に関する書類 |
家庭裁判所 |
相続人の中に未成年がいる場合に必要 |
相続放棄の申述受理の証明書 |
家庭裁判所 |
相続放棄をした相続人がいる場合に必要 |
申告後3年以内の分割見込書 |
国税庁HP |
申告期限までに遺産分割ができない場合に必要 |
② 財産に関するもの
次に、相続財産の価値を証明するための添付書類が必要です。なお、以下の例に該当しない相続財産がある場合はその財産の価値を証明できる書類を添付しましょう。
書類名 |
取得方法 |
備考 |
相続財産明細 |
各自作成 |
|
登記簿謄本(登記事項証明書) |
不動産の住所の所轄の法務局 |
相続財産に不動産がある場合に必要 |
名寄帳 |
都税事務所、市町村役場 |
同上 |
固定資産税評価証明書 |
都税事務所、市区町村役場 |
同上 |
公図 |
法務局 |
同上 |
住宅地図 |
ゼンリン住宅地図などで取得 |
同上 |
賃貸借契約書 |
手元にあるもの |
相続財産に貸地、借地がある場合に必要 |
農業委員会の証明書 |
各地域の農業委員会 |
他人の農地を小作している場合に必要 |
路線価図・評価倍率表 |
国税庁のHP |
相続財産の中に不動産、土地等がある場合に必要 |
預貯金の残高証明書 |
金融機関 |
相続財産に現金など預貯金がある場合に必要 |
通帳のコピー |
手元にあるもの |
同上 |
手元現金 |
手元にあるもの |
同上 |
株式の評価証明書 |
証券会社 |
相続財産に有価証券がある場合に必要 |
公社債の評価証明書 |
証券会社 |
同上 |
配当金の支払通知書 |
手元にあるもの |
同上 |
顧客勘定元帳 |
証券会社 |
同上 |
生命保険支払通知書 |
保険会社 |
生命保険金を相続する場合に必要 |
生命保険証書のコピー |
手元にあるもの |
同上 |
火災保険などの保険証書のコピー |
手元にあるもの |
火災保険等を相続する場合に必要 |
解約返戻金が分かる資料 |
契約している保険会社 |
保険以外の解約返戻金額などがある場合に必要 |
退職金支払通知書(源泉徴収表) |
手元にあるもの、被相続人の勤務先 |
死亡退職金を相続する場合に必要 |
車検証のコピー |
手元にあるもの |
自動車を相続する際に必要 |
ゴルフ会員権証書などのコピー |
手元にあるもの |
ゴルフ会員権などを相続する場合に必要 |
骨董品、絵画などの鑑定評価書 |
鑑定機関、手元にあるもの |
骨董品、絵画などを相続する場合に必要 |
金銭消費貸借契約書、借用書のコピー |
手元にあるもの |
貸付金、前払金などがある場合に必要 |
③ 債務・葬式費用に関するもの
債務がある場合や葬式費用を負担した場合は相続税から控除できるため、それを証明するための添付書類を用意しましょう。
書類名 |
取得方法 |
備考 |
借入残高証明書、返済予定表 |
金融機関 |
金融機関からの借入金がある場合に必要 |
金銭消費貸借契約書、返済予定表 |
手元にあるもの |
金融機関以外からの借入金がある場合に必要 |
住民税、固定資産税、国民年金、国民健康保険、介護保険などの納税通知書 |
手元にあるもの |
被相続人が払うべきものを相続後に支払った、または支払うことになっている場合に必要(債務として控除できる) |
非相続人の医療費、公共料金などの請求書 |
手元にあるもの |
同上 |
葬儀関係費用領収書、葬儀費用出納帳 |
手元にあるもの |
葬儀関係費用を負担した場合に必要 |
④ その他
以下は特殊なケースにおいて必要になる添付書類です。
書類名 |
取得方法 |
備考 |
障害者手帳のコピー |
手元にあるもの |
障害者控除の適用を受ける場合に必要 |
贈与税額控除、相次相続控除、外国税額控除の申告書などのコピー |
手元にあるもの |
各控除の適用を受ける場合に必要 |
贈与税申告書 |
手元にあるもの |
過去3年以内に贈与をしている場合・相続時精算課税制度の適用を受けている場合・教育資金の一括贈与をしている場合に必要 |
贈与契約書 |
手元にあるもの |
過去3年以内に贈与をしている場合・ 住宅取得等資金の贈与をしている場合に必要 |
相続時精算課税制度選択届出書 |
手元にあるもの |
相続時精算課税制度の適用を受けている場合に必要 |
非課税申告書 |
金融機関 |
結婚子育て資金の一括贈与をしている場合に必要 |
税務代理権限証書 |
税理士事務所 |
税理士に依頼したときに必要 |
準確定申告関連資料 |
それぞれの資料を当該の機関から |
準確定申告を行った場合に必要 |
過去の相続税申告書 |
手元にあるもの |
過去10年以内に相続した財産がある場合に必要 |
相続税の申告は多岐にわたっていて、記入には多くの手間がかかります。
そのため、相続税専門の税理士に作成してもらうことをおススメ致します。